- 第3回目 -

1月21日のワークショップの様子を一部ご紹介します。
俳優にとって「聞く」という行為は特別に重要視されるべきものです。
この「聞く」という意味の中には相手の表情を読み取り、相手の真意を感じると言う意味も含まれています。
この日は「聞く」という行為がどういうものなのか、これができた時とできていない時の違いを実際演じてもらってその場で確かめてもらいました。
この「聞く」という行為を会得すれば演技は非常にやりやすいものになります。しかしどのようにすれば演技中にちゃんと聞けるようになるのか? それがここ数回に渡るワークショップのテーマであり、クライマックスでもあります。
ちょっと時間をとってビデオを見ました。シャーリー・マックレーンという有名な女優のインタビューです。以下は彼女の言葉です。「いい俳優はもしかしたら演技なんてしてないのかも。きっとその場の空気を感じてるだけ。周囲にアンテナを張って、全身で感じ取ったものに、ただ反応するだけなのよ。」
私たちは「反応」します。ここでは「アトモスフィア(雰囲気)」についいて話しています。私たちはその場の雰囲気によって態度、話し方を変えます。いや、自然に変わってしまいます。
室内であるセリフを稽古していたら急に私に「外に出て!」と言われて、何をさせられるのかみんな少し不安そうです。ここでついさっきまで室内で稽古していたセリフを同じように言ってもらいました。
西原:どう? 同じ気分ですか?
生徒:違います。
西原:さっきまでのセリフを同じように言おうとしたのに?
生徒:はい。
西原:何が違っていたのかな?
生徒:セリフを言おうとした時、気持ちがもっとリアルって言うか・・・。

俳優はアトモスフィアを感じて演技をするべきです。五感を使いそれに反応するのです。そうすればライブ感のあるみずみずしい演技をずっと生み出しやすくなります。

「誤解を恐れずに言えば、役を演じるあなたにとって、セリフそのものよりも、あなたが相手のセリフ、行動によってどう反応するかの方がずっと重要だ。俳優にとって大切なものは自分がセリフを言う直前に感じたものなのだ。セリフから解放されよう。あなたは俳優だ。口述屋ではない。もう一度言おう。セリフから解放されるのだ!」
 
日時
2006年1月21日(土) 15:45〜18:15 (その後の予定は未定)
場所
ジャパンアクターズスクール 大分市津守376−1第2奈良勘ビル1階
(大分駅から送迎車が30分前に出ます。希望者は片道50円が必要です。利用をご希望の方は事前にご連絡ください)
Tel
097-554-6565
Eメール
actors@oct-net.ne.jp
料金
無料(またスクールの勧誘等を行う目的は一切ありません)
持物
筆記用具、動きやすい服装、上靴
講師
ジャパンアクターズスクール演劇講師 西原和美
〜このワークショップはスタニスラフスキー・システムをベースに進められます。〜
コンスタンチン・セルゲイビッチ・スタニスラフスキー(1863-1938) ロシアの俳優、演出家。

モスクワ芸術座を設立し、そこでの舞台活動を通じてスタニスラフスキー・システムと呼ばれる革新的かつシステマチックな俳優教育理論を確立しました。

これは「〜のように見える」という表面的な演技を求めるのではなく、俳優が自らの感覚、感情や経験を思い起こし、
それを役の感情に応用することにより「俳優が舞台上で役そのものとして生きることのできた演技こそが最も芸術的な演技である」という考えをベースに、それらを勘とか偶然ではなく確実に得ることができるようにするための方法論のことです。

この考えを基にアメリカでは「メソッド」と呼ばれる演技法がリー・ストラスバーグ等によって考案され、ニューヨークのアクターズスタジオというところで主に教えられました。

ここからはマーロン・ブランド、ポール・ニューマン、マリリン・モンロー、ダスティン・ホフマン、ロバート・デ・ニーロ、ジェームス・ディーン、ピーター・フォーク…と他にも覚えきれないほど数多くの有名な俳優が輩出され、その流れは現在も継続中です。